研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

NFJ TUBE-03J+の修理・改造4.改造②トーンコントロール回路

さて、TUBE-03J+について一通り(TUBE-00Jに準じた)改造は終了しました。とてもいい音と思うのですが、元々入力もフィルムコンデンサだったこともあって、TUBE-00JやLimitedの時のような”おー”といった感動はない感じでした。それではつまらないのでトーンコントロールもいじることにします。私の自作のスピーカーの方は少し高音の出が悪いので、トーンコントロールは便利なときがあるのですが、正直、このアンプでトーンコントロールを入れると、ダイレクトに設定した時に比べて、一枚かぶったように鮮明さがなくなります。どんなアンプでもトーンコントロールを入れた場合これは仕方ないのですが、もう少し何とかしてみたいと思います。と言っても、やることはいつもと同じでオペアンプ間に入っている電解コンデンサを何とかすることです。しかし、今回はこれをフィルムコンデンサに変えるのではありません。なくしてしまいます。

四角で囲ったコンデンサです。

そもそもこのコンデンサが何のためについているかというと、それぞれのオペアンプは単電源で動いていて、一段目のオペアンプ部でボリューム代わりの帰還量の変化によって、ここのオペアンプの出力の電圧が変化して、2段目の入力の意図している電圧と異なってしまうためと思われます。実際にテスターで測ってみるとオペアンプのバイアスは両方とも5.45Vで、ボリュームを最小から最大まで動かすと、1段目の出力は5.41Vから5.54Vまで、コンデンサの両端の電位差は-35mVから102mvまで変化しました。この影響はおそらく、2段目のオペアンプのスイングできる領域が狭くなり、早くクリッピングすることにあると思いますが、逆に言うとここの部分であまりゲインをあげなければ(トーンコントロールを強くしなければ)そのような欠点は現れないのではないかと考えられます。そう考えるとはこのコンデンサを直結することができると思われます。(トーンコントロールへの影響はシミュレーションできていません。定数が分からないので。)そこで、この電解コンデンサ(10uF)を取って、いつものようにピンを立てて、スズメッキ線で直結にしました。

ピンを立てスズメッキ線でショート

このようにして、ディップスイッチをトーンコントロールONに調整して、検討したところ、測定通り、ここの直結部の電位は5.41Vから5.54Vに振れるようになりますが、極端なことをしなければ歪みは感じられず、コンデンサパスの利点の方が大きいように思えます。(トーンコントロール回路にはたくさんのコンデンサがあるので影響は限られますが。)ちなみに5.45Vつまり、そもそも意図したバイアスになるボリュームの位置は9時から10時のところにあります。この改造をしてトーンコントロールを使用する場合の使用するオペアンプですが、バイアスが触れるのは(-方向もありますが)+方向の方が大きいので単電源タイプにする意義はあまりないかもしれません。電源のことだけを考えるのなら、よく使われているOPA627よりもRail to Raliのオペアンプを選択すべきかと思われます。ただ、そこを気にするのなら、この改造はしない方がいいようにも思われます。