研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

NFJ TUBE-00Jの回路解析、修理、改造14。改造⑨

Unlimitedの電源強化(一石フィルター基板の追加)がとても良い感じでしたので、Tune upしている普通のTUBE-00Jにも追加してみます。なんだか、キツネとイタチの追いかけっこみたいになっていますが,,,。

TUBE-00Jの場合は一つ考慮しないといけないことがあります。Unlimitedの場合、昇圧した後のデカップリングコンデンサはそれぞれ22uFが入っていますが、TUBE-00Jの場合は12uFしかありません。これでもシミュレーションの結果では効果あるものの、やはり22uFの方がよいと考えられます。

12uFと22uFの効果の違い、高周波では差がつく

そもそも本来、躯体が大きければ、ここでもっと容量の多いコンデンサを一つ、左右共用でも入れるところと思われますが、ケースに収めることを前提とすればそれは無理です。このフィルタを入れる際に160V 22uFのコンデンサは安く仕入れたので、ついででもありこのフィルターの前と後(これらのコンデンサがないとフィルタを構成しません)、さらに左右に分かれた後の計4つの12uFを22uFに乗せ換えました。

真ん中の茶色い4つの電解コンデンサです

後の基板の組み立てと躯体への組み込みはUnlimitedと同様です。2回目なので慣れていますし、グルーガンできれいに工作できました。

完成基板



これでもう回路的にはUnlimitedと違いがなくなっているので、音の違いは、オペアンプ、段間と出力カップリングコンデンサ(入力は同じWIMA MKS2に変更)、組み込んだスルーホールの抵抗など、定数は同じでも入れた部品の差になるのでしょうか。定数が違うのは段間のコンデンサの容量で、こちら(ただのTUBE-00J)の方が不利(カットオフ周波数が高い)なのですが、その点は感じません。自分のフルレンジがそこまでの低周波に対応していないのと、サブウーファーの恩恵と思います。(そもそも、入力カップリングを1uFに落としていますし,,,。ここらあたりの話は前のブログをご参照ください。)オペアンプをUnlimitedと同じOPA627auにして聴き比べてみると、こちらの方がよく言えば暖かな感じですが、悪く言えば雑味があるような印象です。正直Unlimitedはよくチューニングされているんだなと感じました。こちらのTUBE-00JはOPA627よりもバイポーラのAD827があっているようです。もう少しエージングが必要かと思いますが、どちらもそれぞれ良いので透明感が欲しい時はUnlimited、柔らかさが欲しい時はTUBE-00Jと使い分ける感じになりそうです。

この改造はやはり悪くはないようなのでTUBE-03J+にも応用したのですが、こちらの方が実はスペースがタイトで工夫が必要でした。この様子はまた、ブログに載せますが、これで長い間取り組んできたNFJさんのラインアンプのチューニングもひと段落でしょうか。あと行うとしたら、オペアンプ周りのデカップリングコンデンサの変更(リプルフィルターのコンデンサを変更している方が大きい)、ヒーターの電解コンデンサがありますが効果は薄いでしょう。あまり、やる気になりませんが、試してみなければ結果はわからないので、時間ができたら一度はしてみるかもしれません。あと大きいのはボリュームですが、このサイズでのいい可変抵抗を手に入れて、さらに躯体に組み込むとなると相当難易度が高いと思います。ここらあたりが箱庭オーディオの限界なのでしょうね。かなり検討しないと難しいようです。TUBE-00J(Unlimited)やTUBE-03J+ではこのボリュームは帰還抵抗となるので影響は大きいと思うのですが。何かうまくやっている方がおられましたら、ご教授いただければと思います。