何人かの方からNFJの真空管ラインアンプの改造についてお問い合わせをいただきました。ありがとうございました。今までのブログでは改造手順の細かいところまではご紹介できませんでしたが、今回TUBE-01Jについて、もう少しその詳細をお示しできたらと思いもう一度まとめてみます。TUBE-01Jを選んだのは基本的にはスルーホールデバイスで構築されているのと、買われているかが多いこと、そして、電圧が高くないという安全性をかってのことです。ここまで行ってなんですが、NFJも改造はしないでねと表向きは言っておりますし、お約束として改造は自己責任でお願いできればと思います。ここでのまとめは改造手順の私のための詳細な記録という位置づけでお願いいたします。
必要なものは一般のはんだ付けの工具の他に、ハンダ吸い取り器(手動のものがいいと思います。基盤が弱いので電動は傷つけることが多いです。)、ハンダ吸い取り線、あと低融点ハンダ(私は自作しています)はないと昇圧基板を外すのは難しいと思います。
1.躯体のオープン
内部にアプローチするために躯体をあけていきます。まず、前面の6角ねじ(2.5)4つを外し、後面のRCA端子の+ねじ(2)2つ外し、基板を引き出します。今回の基板はカップリングコンデンサがITWですね。あたりでしょう。
2.整流ダイオードの交換
TUBE-01Jの特徴でもあり、同時に泣き所でもあるのがB電源の低さです。おそらくACアダプターで駆動する真空管アンプというのがポイントですが、このためB電源の電圧を適切なレベルまで上げるのに課題があります。TUBE-01Jではスイッチングのノイズを嫌い、交流化したものをトランスで昇圧し±電源としています。この電源を安定化するためにはどうしてもさらなる電圧低下を引き起こすので、それを中和するためにこの後の整流回路のダイオードをVfの小さいショットキーバリアダイオードにして少しでも電圧を上げるという改造です。この部分だけチップ部品の交換となります。ショットキーバリアダイオードは耐圧に注意します。ここではSS210を使用しています。この位置にある整流ダイオード4つを外し、ショットキーバリアダイオードに取り替えます。(極性に注意してください)
今回はそばのコンデンサがITWですので大きくなく干渉しませんが、青いBCコンポーネントであれば一度外してから交換した方がよいかもしれません。また、この昇圧基板を外してからかえることも考えられますが、基板を固定する台がないとやりにくくなります。これにより写真のようにわずかにB電源の電圧を上げることができます。
わずかですので、もし、チップ部品の交換に自信がなければこのステップは省略ことも可能と思います。
今日はここまで。