研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

EL34シングルアンプ

EL34シングルアンプ21:完成・試聴

初めての真空管パワーアンプ・EL34シングルアンプの改造が終わりました。 このアンプでの改良した点は 1.100Vでの動作 2. 小から中出力での低歪性化 3. 3結と5結を切り替えられる。 4. KT88に差し替えられる。 といったところでしょうか。このアンプを改造…

EL34シングルアンプ20:改造

さて、今までの検討を活かすべく、EL34シングルアンプの改造を開始しました。出力管、整流管は印字が後ろになっていしまう配置でしたのでついでにそれも直します。 まず、3結か5結、EL34とKT88、帰還量と無帰還、のプレート電圧の切り替えの3つのスイッチを…

EL34シングルアンプ19:回路決定

カソード抵抗を切り替えてKT88も使えるようにした最終の回路図です。これで改造していきます。 回路図 せっかくなのでカソード抵抗300Ωの時のKT88の特性も載せておきます。まずは3結です。 KT88 3結 KT88に合わせたチューニングではありませんが、大出力にな…

EL34シングルアンプ18:KT88への換装検討

本アンプは自己バイアス方式ですのでEL34をそのまま他の真空管に差し替えれる可能性があります。KT77,6CA7 は問題ないでしょうが、5極管でよく使われるKT88についてはいかがでしょうか?今回は特にプレート電源が推奨の条件よりかなり低いです(300V以下、6…

EL34シングルアンプ17:回路図と特性

さて、3結、5結と改良を検討した結果の回路図は以下の通りです。 回路図 3結(無帰還)の場合の予想される出力と歪率は以下の通りです。実測ではなくLTspiceのシミュレートです。(左上は入力(rpm)対出力(W)、残り二つが出力(W)対全高調波歪のグラフです…

EL34シングルアンプ16:5結の検討④

このような電源の改造によりEL34のG2電圧は約280Vとなります。データシートから最大G2電圧(Vg2max)は500Vで問題ありません。Ipは約64mA, Ig2は約9.5mAとなります。6n9p(6SL7)のプレート電圧も246で問題ありません。この時の入力(0.4Vmaxから0.8Vmax)まで…

EL34シングルアンプ15:5結の検討③

さて、G2電圧を上げるよう改造していきます。まず、オリジナルではチョークから出たB電源がまず、出力トランスを通ってEL34に供給されるために分岐し、その後10KΩを通ってEL34のG2と初段のプレート抵抗(現在は39KΩ)に分岐ましす。つまり、この10KΩをいじれ…

EL34シングルアンプ14:5結の検討②

第2グリッドの電圧がどう影響するか見てみましょう。LTspiceを使えば次の回路でV3の値を指定すればその条件でのプレート曲線が書けます。 まず、G2=250の時、これはデータシートに乗っている曲線と比較してプレート電圧100V以上はとてもよく再現していると思…

EL34シングルアンプ13:5結の検討①

おそらく一番よく使うであろう3結については解析・検討を行い、途中まで改造もして効果も確かめました。次は5結について考えます。こちらが本当のオリジナルの回路ですね。改良した後3結、5結をスイッチで切り替えられるようにしたいと思います。負帰還も必…

EL34シングルアンプ12:3結での仕様決定(EL34バイアス)

さて、3結状態での改造計画もいよいよ大詰めです。出力段の調整を目指したいのですが、電源トランスや出力トランスを変えないとすると電源や出力段の交流負荷を変えるのはなかなか難しいです。実際100Vでの駆動ですとプレート電圧がもう少し高くてもいいなと…

EL34シングルアンプ11:改造2

EL34アンプの解析はまだまだ続けていきますが、ここで一度現在までの方針を実機で試してみたいと思います。特に不安がある入力感度について確認しておきたいということが大きいです。あとで述べるかとは思いますが3結での改造では現在まで検討した6SL7(6n9p)…

EL34シングルアンプ10:LTspiceの利用⑥

回路解析した結果もからも現在のところからこのEL34シングルの改造方針は1. 入力が大きくなっても歪まないようにすること2. (クリッピングする前の)歪を少し軽減することになります。アウトプットトランスや電源トランス(電源)を変えない(あるいは…

EL34シングルアンプ9:LTspiceの利用⑤

このオリジナル(を3結にした無帰還)の回路で0.8p-pの入力を入れた場合、クリッピングのないきれいな出力に見えますが、出力は+側は5.0Vまでしか振れないのに対して-側は-5. 48Vまで振れます。いわゆる2次歪(+高次歪み)です。ロードライン上でグリッド…

EL34シングルアンプ8:LTspiceの利用④

LTspiceで現状で改造した3結(+無帰還)状態がどんなものかシミュレートしてみましょう。真空管アンプにおいては最大出力が一つの目標のようです。出力がクリップする直前の出力のようですが、それを与える入力レベルが適当でないと使い勝手が悪いです。な…

EL34シングルアンプ7:LTspiceの利用③

LTspiceを使ってこのEL34シングルアンプを研究してみましょう。 ampaudio.hatenablog.jp まず、実機を使って各部の電圧を測定しておきます。このアンプはもともと110VACでの駆動を前提にしてあります。そこで、昇圧トランスで110Vを入れた場合と通常のコンセ…

EL34シングルアンプ6:LTspiceの利用②

中林歩さんの真空管ライブラリをLTspiceで使ってみましょう。有名な5極管、KT88を例にとってみましょう。まず、ライブラリを展開してその中にあるKT88.incを自分のLTspiceの指定のフォルダにコピーします。私の場合はlib/mylibとなります。 このファイルをエ…

EL34シングルアンプ5:LTspiceの利用①

学部自主研究も終わったので怒涛のような2月も終わりです。あとは年度締めの雑務が大量にありますが、6日休みを取らないと学科長室に呼びつけられてしまいます。またあわただしい1月になりそうです。 3つほど真空管パワーアンプを作製・修理してきましたが、…

EL34シングルアンプ4

前回までの記事、作製から試聴までが去年の2月から3月のことなのでかれこれ一年ほどほったらかしにしていました。重い腰を上げて改良していきたいと思います。 このアンプは5結でパワー重視の設計のようです。5結でゲインを上げておいて負帰還を多くかける形…

EL34シングルアンプ3

真空管アンプはトランスでスピーカーとアンプがいわば絶縁されているので安心感がありますね。逆に負荷をつけずに運転したらアンプが壊れるのでしょうが、高いスピーカーをお釈迦にされるよりは(アンプはトランスを交換すれば直せそうですし)かなりましな…

EL34シングルアンプ2

さて作製はじめたものの「ラグ板ってなんじゃ」「どうやって固定するの」みたいなところから始まっており、ずぶの素人の工作です。実際の工作も初めはラグ板とシャシがショートしたりしていました。でも、回路自体はずいぶん単純というのが正直な印象で心線…

EL34シングルアンプ1

1年ほど前、中華アンプのキットでEL34の組み立てキットを買いました。真空管パワーアンプというものを試してみたかったのですが、作ってみたいという願望とお値段の関係からこれになったわけです。 https://ja.aliexpress.com/item/1005001836903348.html?sp…