EL34シングルアンプ12:3結での仕様決定(EL34バイアス)
さて、3結状態での改造計画もいよいよ大詰めです。出力段の調整を目指したいのですが、電源トランスや出力トランスを変えないとすると電源や出力段の交流負荷を変えるのはなかなか難しいです。実際100Vでの駆動ですとプレート電圧がもう少し高くてもいいなと思いますが、今回はこれは仕方なしとしましょう。そうすると残るのは自己バイアスのカソード抵抗となります。(バイアス状態の変更です。)
いろいろな作例や資料を見てみると普通は出力管の出力を最大とするように第一グリッドが0Vの時例えば40mAプレート電流が流れるのなら、動作点は20mA付近におき、それに見合うバイアスをかけるのが普通と見受けられます。しかし、実際には電流が0になるまでバイアスはかけれませんし、2次歪がどんどん強くなります。今回は0.8Vmax程度の入力で歪まないが目標で、実際にこれくらいの入力で歪まず2W強出ている計算になっています。従ってロードラインを広く使うのではなく、左の方の2次歪が比較的小さいところを使う、つまりバイアスを浅くすることとします。これには短所もありまして、この2W強を超えると急激に歪が増大することとなります。製品ではとても使えないでしょうが、私の環境を考えればこちらの方がいいように思えます。ただ、あまり見ない調整なので実際どれくらい効果があるのかシミュレートしてみましょう。カソード抵抗をデフォルトの300Ωと220Ωの時の0.7Vmaxを入れた際の出力です。
220Ωの方がパワーが出ているにもかかわらず、歪率は220Ω 0.7468011%、300Ω 1.031856%と220Ωの方が結構低くなります。3結状態でのチューニングは以上の条件で行うこととしました。次回からは5結の状態です。この状態によってはまたチューニングを変更するかもしれません。