研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

6BM8プッシュプルアンプ・修理完了

3年ぶりの海外学会での発表が終わりました。午後はめぼしいプログラムもないのでホテルで一息、6BM8プッシュプルの記事をまとめてしまいます。普段よりも自由に使える時間が多いのは何より。

増幅回路に続けて上が出力段のバイアス回路(C電源)で下が電源回路です。

壊れている部分ですがB電源として出ていく直前のコンデンサーとの結線とRチャンネルへのB電源の配線が切れていたので、これをはんだ付けしました。回路図出は省いてあるヒーターも含めそのほかの結線は大丈夫そうだったので、切られている電源コードの先にACインレットを取り付けて通電してみました。真空管を挿して各電圧を見てみると出力段のバイアスが+となっているところがあり、おかしいです。これはオイルコンデンサがダメになって、前段のバイアスが漏れてきていると考えられるので0.02u(前回の図では0.2uとなっていますが間違いです。)のオイルコンデンサを0.1uのフィルムに交換しました。(ここでは220V近くがかかるものもあるので、手持ちで耐圧のある適当なものを入れました。時定数は後程改良の時に考えます。)同様に古典回路で反転側への入力へのオイルコンデンサもやられていて、これも同様に交換しました。残念ながらオイルコンデンサの音は体感できませんでした。そのほかには予想される電圧と大きく違うところはありませんでした。(感電防止の手袋をしておっかなびっくり、調べていきました。)ん?これ、直ったんじゃないの?ということで、バイアスを(かなり適当に)調整して、テストのスピーカーをつないで試してみたところ問題なく音が出ました。しばらく様子を見て暴走とかがないことを確認してシステムにいれて試聴しました。

プッシュプルであるのと段間のコンデンサの容量を増やしたので低音もしっかり出ている感じ。MC-10Tに比べれば当然パワーは見劣りしますが、普通に聴く分には十分でこれはダメだという感じはありません。むしろ、前の作者がいろいろとチューニングされていたようで結構聴いていて心地がいいです。これで一応修理は完了ですが、今後ゆっくりと

1.まず、仕上げとメインテナンス。ACインレットもきちっと穴をあけてケースに収まるようにして、スピーカー端子もバナナプラグのものに代えて4Ω出力も整備する。

2.ハムが少しあると思います。出力段のバイアス回路はよいとは思えないのでリプルを取って定電圧化するか、電源に手を入れたうえで自己バイアスにするか検討します。

3.時定数の検討をしていません。シミュレーターを使って帯域を調整していきたいです。

4.古典的反転回路はよくチューニングされているようですがやはり無理があるかと思います。半導体の差動の前段をつけることも考えて回路を考えてみたいと思います。

5.ここまでするときはかなりの改造になるので部品をすべて外して、シャシを塗装してみたいです。ワインレッドがいいかな。

といろいろと試してみたいですが、時間がないのでしばらくはこのままでしょうかね。