研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

オーディオ

久々の修理:Tube-01J改造品

個人的な節目も過ぎ、仕事もようやくひと段落つき、本当に久しぶりにはんだごてを握りました!調子を崩してから8か月くらいたっている?もっとか。 リハビリとしてTube-01Jの2台を修理しました。どちらも以前からの改造を施したものです。改造の手順もそうい…

NFJ TUBE-01Jの修理・改造11:改造手順②

次に、カップリングコンデンサと信号に直列の抵抗を交換します。今回カップリングコンデンサはITWがついているので出力カップリングコンデンサはそのままにしておきます。もちろん好みで替えていただければいいと思います。入力はWIMAのMKS2 1.0uFに交換しま…

NFJ TUBE-01Jの修理・改造10:改造手順①

何人かの方からNFJの真空管ラインアンプの改造についてお問い合わせをいただきました。ありがとうございました。今までのブログでは改造手順の細かいところまではご紹介できませんでしたが、今回TUBE-01Jについて、もう少しその詳細をお示しできたらと思いも…

EL34シングルアンプ21:完成・試聴

初めての真空管パワーアンプ・EL34シングルアンプの改造が終わりました。 このアンプでの改良した点は 1.100Vでの動作 2. 小から中出力での低歪性化 3. 3結と5結を切り替えられる。 4. KT88に差し替えられる。 といったところでしょうか。このアンプを改造…

EL34シングルアンプ20:改造

さて、今までの検討を活かすべく、EL34シングルアンプの改造を開始しました。出力管、整流管は印字が後ろになっていしまう配置でしたのでついでにそれも直します。 まず、3結か5結、EL34とKT88、帰還量と無帰還、のプレート電圧の切り替えの3つのスイッチを…

EL34シングルアンプ19:回路決定

カソード抵抗を切り替えてKT88も使えるようにした最終の回路図です。これで改造していきます。 回路図 せっかくなのでカソード抵抗300Ωの時のKT88の特性も載せておきます。まずは3結です。 KT88 3結 KT88に合わせたチューニングではありませんが、大出力にな…

EL34シングルアンプ18:KT88への換装検討

本アンプは自己バイアス方式ですのでEL34をそのまま他の真空管に差し替えれる可能性があります。KT77,6CA7 は問題ないでしょうが、5極管でよく使われるKT88についてはいかがでしょうか?今回は特にプレート電源が推奨の条件よりかなり低いです(300V以下、6…

EL34シングルアンプ17:回路図と特性

さて、3結、5結と改良を検討した結果の回路図は以下の通りです。 回路図 3結(無帰還)の場合の予想される出力と歪率は以下の通りです。実測ではなくLTspiceのシミュレートです。(左上は入力(rpm)対出力(W)、残り二つが出力(W)対全高調波歪のグラフです…

EL34シングルアンプ16:5結の検討④

このような電源の改造によりEL34のG2電圧は約280Vとなります。データシートから最大G2電圧(Vg2max)は500Vで問題ありません。Ipは約64mA, Ig2は約9.5mAとなります。6n9p(6SL7)のプレート電圧も246で問題ありません。この時の入力(0.4Vmaxから0.8Vmax)まで…

EL34シングルアンプ15:5結の検討③

さて、G2電圧を上げるよう改造していきます。まず、オリジナルではチョークから出たB電源がまず、出力トランスを通ってEL34に供給されるために分岐し、その後10KΩを通ってEL34のG2と初段のプレート抵抗(現在は39KΩ)に分岐ましす。つまり、この10KΩをいじれ…

EL34シングルアンプ14:5結の検討②

第2グリッドの電圧がどう影響するか見てみましょう。LTspiceを使えば次の回路でV3の値を指定すればその条件でのプレート曲線が書けます。 まず、G2=250の時、これはデータシートに乗っている曲線と比較してプレート電圧100V以上はとてもよく再現していると思…

EL34シングルアンプ13:5結の検討①

おそらく一番よく使うであろう3結については解析・検討を行い、途中まで改造もして効果も確かめました。次は5結について考えます。こちらが本当のオリジナルの回路ですね。改良した後3結、5結をスイッチで切り替えられるようにしたいと思います。負帰還も必…

EL34シングルアンプ12:3結での仕様決定(EL34バイアス)

さて、3結状態での改造計画もいよいよ大詰めです。出力段の調整を目指したいのですが、電源トランスや出力トランスを変えないとすると電源や出力段の交流負荷を変えるのはなかなか難しいです。実際100Vでの駆動ですとプレート電圧がもう少し高くてもいいなと…

EL34シングルアンプ11:改造2

EL34アンプの解析はまだまだ続けていきますが、ここで一度現在までの方針を実機で試してみたいと思います。特に不安がある入力感度について確認しておきたいということが大きいです。あとで述べるかとは思いますが3結での改造では現在まで検討した6SL7(6n9p)…

EL34シングルアンプ10:LTspiceの利用⑥

回路解析した結果もからも現在のところからこのEL34シングルの改造方針は1. 入力が大きくなっても歪まないようにすること2. (クリッピングする前の)歪を少し軽減することになります。アウトプットトランスや電源トランス(電源)を変えない(あるいは…

EL34シングルアンプ9:LTspiceの利用⑤

このオリジナル(を3結にした無帰還)の回路で0.8p-pの入力を入れた場合、クリッピングのないきれいな出力に見えますが、出力は+側は5.0Vまでしか振れないのに対して-側は-5. 48Vまで振れます。いわゆる2次歪(+高次歪み)です。ロードライン上でグリッド…

EL34シングルアンプ8:LTspiceの利用④

LTspiceで現状で改造した3結(+無帰還)状態がどんなものかシミュレートしてみましょう。真空管アンプにおいては最大出力が一つの目標のようです。出力がクリップする直前の出力のようですが、それを与える入力レベルが適当でないと使い勝手が悪いです。な…

EL34シングルアンプ7:LTspiceの利用③

LTspiceを使ってこのEL34シングルアンプを研究してみましょう。 ampaudio.hatenablog.jp まず、実機を使って各部の電圧を測定しておきます。このアンプはもともと110VACでの駆動を前提にしてあります。そこで、昇圧トランスで110Vを入れた場合と通常のコンセ…

EL34シングルアンプ6:LTspiceの利用②

中林歩さんの真空管ライブラリをLTspiceで使ってみましょう。有名な5極管、KT88を例にとってみましょう。まず、ライブラリを展開してその中にあるKT88.incを自分のLTspiceの指定のフォルダにコピーします。私の場合はlib/mylibとなります。 このファイルをエ…

EL34シングルアンプ5:LTspiceの利用①

学部自主研究も終わったので怒涛のような2月も終わりです。あとは年度締めの雑務が大量にありますが、6日休みを取らないと学科長室に呼びつけられてしまいます。またあわただしい1月になりそうです。 3つほど真空管パワーアンプを作製・修理してきましたが、…

6BM8プッシュプルアンプ・修理完了

3年ぶりの海外学会での発表が終わりました。午後はめぼしいプログラムもないのでホテルで一息、6BM8プッシュプルの記事をまとめてしまいます。普段よりも自由に使える時間が多いのは何より。 増幅回路に続けて上が出力段のバイアス回路(C電源)で下が電源回…

6BM8プッシュプルアンプ・回路解析

真空管を6BM8と見当をつけて、回路の解析を続けます。まずは実態配線図を書いた後、それを回路図に落としていきます。今は海外なので当然ですが、以前行ったことのまとめです。 特徴は 1.UL接続のブッシュプルです。バイアスは固定バイアスで、小さな別基板…

真空管アンプジャンク品:6BM8プッシュプルアンプ1

実物が届きました。外観はまあ、汚いですね。トランスはOPTも電源もタンゴのトランスでした。このトランスはとても人気なようで搭載しているだけで値段が上がるようです。トランスが大事なのはわかりますがタンゴというだけでよくまあ、こんなに払えるなとい…

真空管アンプジャンク品

MC-10Tが思いのほかうまく直ったので、調子に乗ってもっとジャンクなものを手に入れてしまいました。どんな真空管が刺さっていたかもわからないものです。 商品の説明写真です ミニチュア管が4本差さるというだけでどんな回路かも全くわかりません。 おなか…

YAQIN MC-10T(EL34プッシュプル) ジャンク6:調整

修理がほぼ完了したので、まず、外装をエタノールと有機溶媒でクリーニングしました。近い将来もしかすると出力段基板やトランス類も外して改造していくと思うので、トランスカバーなどを外してまでのクリーニングは行いませんでしたが、かなりピカピカにな…

YAQIN MC-10T(EL34プッシュプル) ジャンク5:修理

さて、前段の基板をクリーニングして元に戻しました。 Lチャンネルは初段のSRPPの2つの真空管の間の電圧が125V何某、よさそうですがRチャンネルは相変わらず0Vです。また、Rチャンネルの出力段への出力はオシロで見ても、予測していたのに比べかなり弱い。真…

YAQIN MC-10T(EL34プッシュプル) ジャンク4:回路解析

さて、前段の基板が外れたのでテスター片手に回路を解析していきます。途中でMC-10Lの回路図をネットから拾うことができ、ちょこちょこと定数が違うものの回路的にはほぼ同じで大変解析がはかどりました。 このアンプの特徴は 1.EL34のUL接続のプッシュプ…

YAQIN MC-10T(EL34プッシュプル) ジャンク3:分解開始

さて、修理に取り掛かりますがまずは開けなくてはなりません。初めはひっくり返してビスを取って底板を外したのですが、これでは基板の裏側は見えるものの基板を外すねじにはアクセスできませんでした。上の方のカバーを外さないといけないようです。そこで…

YAQIN MC-10T(EL34プッシュプル) ジャンク2

宅急便で例の物が届きました。第一印象は「重い」。いじっていたNFJのアンプなどは比べれれば文字通りおもちゃのようです。こんな重いものを宅急便は1140円で配達してくれるとは驚異ですね。トランスが重いのは明らかなので期待できそうな感じです。 外見は…

NFJ TUBE-00Jの回路解析、修理、改造15。138V version 仕上げ

さて、138VにB電源を上げたTUBE-00Jですが、安定していますので今まで行ってきた改造も加えて仕上げていきます。ロードラインですが先日の記載のように5654W(6J1)用のチューニングにします。プレート抵抗、カソード抵抗ともチップ抵抗ですので6K4用に簡単に…