LTspiceを使ってこのEL34シングルアンプを研究してみましょう。
まず、実機を使って各部の電圧を測定しておきます。このアンプはもともと110VACでの駆動を前提にしてあります。そこで、昇圧トランスで110Vを入れた場合と通常のコンセント100Vでの時を計測します。実際デジタルマルチメータで計測したところ昇圧トランスでは116V入力、コンセント入力では100Vでした。次に前回の解説のようにEL34と6SL7のモデルを用意し、LTspiceでアンプ回路を構築したうえで測定した各部の電圧を吐かせます。中林さんのライブラリには整流管もありますが、今回はチョークを通過したところからの、つまり、増幅回路だけのシミュレートです。出力トランスは同じく中林さんのページにあった東栄のトランスのパラメーターを少しいじったものを使っています。ページには実測からモデルの構築までの手順も詳細に書かれているので、そのうちきちっとシミュレートしようと思いますがまずはこれで十分でしょう。(あるいは前にあげた本にもトランスの構築の方法が記載されています。これを使ってもいいと思います。)トランスのシンボルは適当に作りました。
実測の電位との比較を116V、100Vと示します。
良くシミュレートされていると思います。これを見てみるとHeaterの電圧が少々さがっていても真空管のパフォーマンスは大きくは落ちていないと思われます。