LTspiceで現状で改造した3結(+無帰還)状態がどんなものかシミュレートしてみましょう。真空管アンプにおいては最大出力が一つの目標のようです。出力がクリップする直前の出力のようですが、それを与える入力レベルが適当でないと使い勝手が悪いです。なのでライン入力のレベルについてちょっとグーグル先生に聞いてみました。
「プロ向け機器のラインレベルは+4 dBu(=1.228 V)と規定されており、コンシューマ向け機器ははっきりと決められているわけではないが-10 dBV(=0.316 V)となっていることが多い。」これは実効値のようですので最大値にすると1.4142x1.228=-1.7366~1.7366(≒3.47p-p)、1.4142x0.316=-0.446~0.446(≒0.9p-p)にそれぞれなるのかな。
「一般的なラインレベル信号の基準値は0.7V~1V程度の範囲ですから」これなら2V~3V(p-p)になるのでしょうか。今一つわからないのですが、最大値が実際に入力されることは少ないであろうと考え、まずは1.6V(p-p)くらいを入力し、ボリュームを全開にした状態で、クリッピングがなく、そここそ、パワーがでるのを目標にしてみました。
この条件で1kHz入力時でのオリジナル(から3結に改造した)回路での8Ω負荷時の出力波形を見てみましょう。(100V入力での解析です。)ついでなのでNFB抵抗2Ω、10Ω、15Ω、を入れたときの波形も吐かせています。
赤のきれいな波形はNFB抵抗が2kの時の波形です。せっかくの3結ですしこのような多量のNFBはかけたくないですね。そのほかの条件では上も下もクリッピングしてしまうことが見て取れます。では無帰還でどれほどの入力ならクリッピングしないか、入力信号を0.8Vp-pから1.6Vp-pまで変えて検討してみると
400mV(0.8Vp-p)の時にはクリッピングがありませんが、1.0Vp-pの時はすでに下側がクリッピングしています。上は1.4Vp-pまでは大丈夫なようです。ではこの0.8Vp-p時にどれくらいの出力が出ているかというと8Ω負荷で5Vmaxと見れますから5x5/2/8=1.56Wということになります。
これが最大出力ということになるのでしょうか。この時の電圧利得は13倍、約22dBです。これが元々の状態ということになります。いまいちですよね。これを改良していくことを考えますが、本日はここまで