研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

YAQIN MC-10T(EL34プッシュプル) ジャンク6:調整

修理がほぼ完了したので、まず、外装をエタノール有機溶媒でクリーニングしました。近い将来もしかすると出力段基板やトランス類も外して改造していくと思うので、トランスカバーなどを外してまでのクリーニングは行いませんでしたが、かなりピカピカになり、特に上面のカバーは鏡のようになってとても美しいです。

続けて調整に入りました。12AT7については左から1, 3と2, 4が組みですが、修理の段階でこのペアは崩れていると考えられたので、テスターを当てて最良と思われるペアを同定しました。


真空管がへたってきていることもあるのか、この調整をしないと左右のずれは結構大きかったです(場所によっては40V程度も、調整後は5V程度)。次に出力段ですがEL34の4本はそれぞれにナンバリングがされており、V1とV3、V2とV4はペアだと考えられます。これらのバイアス調整はカバーを外さなくてもできるようになっており、なかなかに便利です。カソード抵抗(10オームの調整用です。自己バイアスではありません。)の両端が0.45V程度になるように調整しました。調節域は結構広く、固定バイアスですが少し回路を変えるだけで他の真空管(KT88など)も使えるのではないかと思います。将来の課題です。

元々プッシュプルに興味があって購入したMC-10Tですが、聴いてみて感じることはまずシングルに比べて低音側がきちっと音が出ていることでしょうか。トランスの性能の差もあるのでしょうが、このアンプではサブウーファーは切ってしまっていいように思います。また、パワーもあってB&Wを問題なくドライブされて気持ちいいですね。きちっと直りましたしとてもお買い得だったと思います。しばらく聴き込んだ後で、3結に変更(簡単にできそうですが、むしろ出力段の基板を外すことが面倒ですかね。)したり、帰還量をいじったり、バイアスの値をいじって他の真空管も使えるようにするなど手を加えていこうとおもいます。今年の目標はこのような真空管パワーアンプの改造です。