研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

6J1 真空管バッファアンプキット5.改造②

さて、方針が決まったので以下の通り改造をしていきます。

1.パターンの変更 いたずらっこさんの変更が元です。図の赤四角のところで基板パターンをカットし、黒線の部分を新たに結線します。また、スイッチのところまでもACラインが伸びているので、ここのバターンも切ってスイッチを無効化しました。ACアダプターの抜き差しで電源スイッチとします。

パターンカット

2.ここからがオリジナルです。と言ってもたいしたことではありません。そもそも、半波整流のリプルが回り込むので、この電圧変動をなくせばいいわけです。ただし、12V強は必要なので、上の電圧をけずってしまうラインレギュレータは使えず、また、変動が大きいのでリプルフィルターもシミュレーションではよくありませんでした。ここは、素直にこの整流のコンデンサーの容量をあげるのがよいようです。もともとの470uFを基板の裏側にパラレルで追加します。この効果は図の通りです。もともと2V近く揺らいでいたのが半分程度になります。

3.これは電源のシミュレーションをしているときに気づいたのですが、信号の変化が電源に回り込みます。つまり、信号に入り込んだハムノイズは、電源にまで影響を与えます。これを回避するには電源とアンプのインピーダンスを下げればよいと思われ、これにはアンプに近い部分のコンデンサの容量をあげればいいと考えました。RSコンポーネントの1000uFがちょうどケースに収まりそうだったので、元々の470uFを2本、こちらに付け替えました。不要となった470uFの一本は2.の改造に使いました。この変更の効果のシミュレーションは図の通りです。電圧の変動が抑えられています。また、ついでに0.1uFのフィルムコンデンサをパラレルに裏側につけました。



4.入出力のカップリングコンデンサを変更できるようにピンを立てました。現在はWIMAのMKS2 1uFが入っています。また、信号に直列な抵抗4.7kオームをLGMSFAに変更しました。何時もの通りの改造です。

さて、結果ですが正直変更しなければよかったかもと思いました。改造する前は値段相応のものといった認識でしたが、改造後はTUBE-01J引けを取らず、2000円しないこっちで十分という感じです。改造前はハムノイズがはっきり聴けて興ざめだったのですが、改造後は雑音はわかりません。また、特に5654Wを使用した時は力強く、はっきりした音なのですが、味付けされているといった感じはなく、素直です。 Gullgray's Memoさんのヒーターを全波整流して安定化させるというアプローチも別個体で始めていたのですが、これを超える気がしません。

今回はとても勉強になりました。回路的に同じでもパターンでここまで違うというのがはっきり分かったこと。電源の重要性についても改めてです。その点、収穫だったと思います。