研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

デジタルアンプのZobel filter

NFJさん(や中華製キットの)真空管プリアンプをいろいろいじってきて、パワーアンプの方もいろいろ研究してみたく、いろいろと始めているのですが、わからないところがあり、お知恵を拝借できればと思い投稿します。

気になっているのは出力側のZobel filterです。図は勉強のために買ったFX202A/FX-36A PROの出力部の回路図です。黄色で囲ったRとCが直列に入っているZobel Filterが3つあります。


これらが何のためにあるのかというのが、いろいろ調べてみてもしっくり来ていないのです。まず、説1として高速(数100KHz)でスイッチングするわけですからそれに起因するノイズを軽減するスバナ回路としてというものですが、そもそもそのためにはLC回路が存在しています。このアンプでは8Ω負荷に合わせて定数に変更が加えられていて、高域部の盛り上がりが8Ω負荷でも出ないようになっています。(逆に4Ω負荷だと20kHz付近が弱くなります。この場合C2の容量を上げます。)


しかしいずれの場合でもスイッチングしている300kHz付近の減衰は変わりません。そして、この図全体のカーブはこの3つのZobel Filterを取り去っても変わらないのです。つまり、このシミュレーションからはZobel Filterは音やEMIの減少には貢献していないと考えられます。

次にスピーカーのインピーダンスの上昇を抑える為に入れるという説があったのですが、おそらくこれが真実に近いのではと思います。先ほども言ったようにZobel Filterはこのシミュレーションでは周波数特性に影響を与えません。しかし、負荷の(スピーカーの)モデルを単純な抵抗ではなくLC成分を持つようなモデルにする


とこのZobel Filterがないと20K-50KHzの部分に極めて強い盛り上がりが出現します。(青い線)


この現象の説明は私の知識ではできませんが、Zobel Filterがないとキチキチキチキチ聴けたものではないというのはこれからきているものと思われます。しかし、この現象も右側二つ(アースに落ちる)Zobel Filterの効果で、左側のZobel Filterをいじっても何の変りもありませんでした。+とーをつないでいるのですから、逆相の何かに対して影響を及ぼしているのでしょうが、それが何なのかわからないじまいです。ご教授いただければありがたいです。