研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

6K4 project: AIYIMAのTUBE-A3を改造2

昨日の方針

1.プレート電流を上げる。

2.プレート電圧を上げる。

3.6K4(6BA6)はリモートカットオフ管なのでバイアスは浅めにする。

がどうしてそうなのかを少しまとめてみましょう。まず、6K4の三極結合した時のEp-Ip特性をデータシートから見てみましょう。

6K4のEp-Ip曲線とロードライン

まず、バイアスが深くなると線が密になっていきます。0V-2Vの間隔と2V-4Vの間隔では2V-4Vの間隔の方が狭いですね。4V-6Vはもっと狭いです。これは6K4がリモートカットオフ管である影響と思われます。電波増幅の時に小さい電波は感度よく拾い、大きい電波はわざと抑制する、そういう機構と聞いています。この特性はバイアスが浅い位置では小さく、深くなると大きくなります。ですのでバイアスが深い位置で使用すると音楽信号が+に振れたときより-に振れた場合の方が増幅された振幅が小さくなってしまいます。つまりゆがむわけです。繰り返しになりますが、この影響はバイアスが浅いところではかなり小さくなります。しかし、バイアスが浅ければ受けられる信号の振幅も小さくなってしまいます。また、バイアスは本機ではカソードバイアスで与えられるので(自己バイアス)電源電圧が高いとバイアスは自然と深くなります。A3がTUBE-03J+より少し不利なのはその点ですね。オリジナルのロードラインは赤線でバイアスは1.2Vほどですので音楽信号を2Vp-pがMaxとすると青い線を動くことになります。2Vp-pが大体20Vp-pに増幅される感じでしょうか。健闘していますがやや-側が狭く感じられます。狭苦しいところでの動作ですし、少し左下にずれるとEp-Ipラインの曲線の部分にかかります。つまり、それだけ直線性がなくなる=ゆがむということです。今回は電圧、電流ともに上げてこのロードラインをピンクの線のように右上にずらして使用しようとするものです。I-Vラインに直角に近い方がリモートカットオフの影響を受けにくくなります。(増幅率は下がります。)