研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

6K4 project: AIYIMAのTUBE-A3を改造4

B電源127Vがようやく安定したことで念願の電圧増幅回路に手を入れます。再び6K4のIp-Vp曲線状にロードラインを見てみます。

ここで電源が127Vに定まったということは大体ロードラインのX切片が127Vに決まったということを意味します。あとはどのような傾きのラインを引くか。ということになります。通常、ロードラインはあまり立てると増幅率(バイアス電圧の動きに対するVp電圧の動きの比率)が小さくなってしまって、必要な電圧差を得るのが難しくなります。しかし、今回6K4はリモートカットオフ管なので元々のバイアス電圧に対するVpの動きに直線性がなく、ロードラインを傾けるとそれが顕著になると予想されます。また、そもそもラインアンプという性格上、電圧増幅を稼ぐ必要はさほどありません。そこでプレート抵抗を少し減らして傾きを上げる方向で調整しました。これで、最大プレート電流は23mA程度となります。元のロードラインが赤線、改造後のロードラインがオレンジ線となります。

また、電圧を127Vにあげたのでカソード抵抗の両端に発生する電圧、つまりバイアス電圧も深くなります。今回、リモートカットオフ管なので動作範囲はグラフの右に行けば行くほど不利となると考えられるので、バイアスはオリジナルの1Vくらい(実際にはやや小さく)なるようカソード抵抗も調整しました。(それぞれのロードライン上の青線上で動くことになります。)また、こうして全体にロードラインを右上に動かしたことでIp-Vp曲線の曲線の部分から距離を置くことができるようになりました。特に-2Vのバイアス線の部分の曲線部分を使用しないですむ感じです。つまり、直線性が高いところで勝負できるので歪みが減るのではないかと思います。これは同じくリモートカットオフ管の6BA6でも同様と考えられます。

次に、シャープカットオフ管(6J1や6AU6)についてです。(目標の2,3です。)