研究室の音楽

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NFJ TUBE-00Jの回路解析、修理、改造。1.回路の解析①


NFJさん公式のジャンクでTUBE-00Jをいくつか入手しました。

その修理、改造をしたのでレポートします。

まずは、修理に当たってTUBE-00Jの回路を追ってみました。素人の解析なので間違いがありましたら是非ご教授ください。

なお付属する真空管は6K4ですが、記事では6J1で解説していきます。その理由は後日でてるくとおもいます。

 

このラインアンプは以下のような構造になっています(図)。

 

 

Tube01J, Tube00J-Unlimitedとの違い。

同社のTube01Jと比較するとオペアンプによる前段がなく(当然その電源もなく)、電源の昇圧回路がスイッチングコンバーターでなくトランスを使った昇圧回路になっています。選択としては昇圧回路によるノイズをどう考えるかということ。ゲイン(01Jの方が高い)が選択基準でしょうか。00Jでもオペアンプを挿さなければ(ボリューム調整はできませんが)、前段オペアンプを通さないでも真空管のラインアンプとして機能します。上位機種のTube00j-Unlimitedとの差はオペアンプがNE5532PからOPA627au、入出力カップリングと前段と後段のカップリングコンデンサのグレードアップ、真空管ソケットや入力抵抗のグレードアップがされていますが、回路的には違いを見出すことはできませんでした。

繰り返しになりますが、TUBE-00Jは真空管は6K4、残り二つは6J1が付属しています。これについては、後日述べたいと思います。

 

オペアンプのよる前段

ここでは電圧増幅を目的としていません。前段の役割は

といったところなのでしょうか。これより、オペアンプの反転増幅回路が基本です。図にその帰還部を示します。オペアンプが刺さっていなくてもボリュームと帰還コンデンサーを通って次段に入ることができるますし、繰り返しになりますがここでは電圧増幅がないのでオペアンプがなくても音が出ます。ただ、この場合ボリュームより周りのインピーダンスの方が高いのでボリュームとしては機能しません。ここで1.の音量調整ですが、普通の入力時の電圧を調整するのではなく、オペアンプの帰還量で変えています。ですので、帰還量が少ないと発振するようなオペアンプは使えないかと思っていましたが(Unity Gain Stableが基本)、考えてみると、帰還量が多い時は増幅率が1を切るので、あまり気にしないでいいようにも思います。オペアンプを壊すのも嫌ですし試していません。また、音量によって歪率・周波数特性が変化すると思われます。そこらあたりを検証したのが図です。ボリュームと並行についている帰還のコンデンサーの容量によって特性が変わります(基板からはがしてまで測っていません)が、ボリュームを上げると高音の周波数特性が悪くなります(図、わかりやすいように帰還コンデンサーの容量をあげて前段だけでシュミレートしています)。聞こえない範囲と思いますが、ハイレゾにこだわるような方はご注意を。ここでオペアンプでの増幅率は0から2.27となります。

オペアンプ帰還部

 

ボリュームによる高域特性の変化

今日はここまで。明日はオペアンプの電源部についてです。