研究室の音楽

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NFJ TUBE-00Jの回路解析、修理、改造2.回路の解析②

手に入れたTUBE-00Jの修理・改造のために回路を解析するその2回目

オペアンプの電源回路について

 

オペアンプ電源(リップルフィルター)

このオペアンプは単電源で動作します。あとで解説するリプルフィルターから供給されるVCC(10.4V)がVCC端子(8番ピン)10kΩの抵抗R207とR208で分圧されて5.2Vが+入力端子(3番ピンと5番ピン)に入ります。C201は電源からの雑音の回り込みを防ぎます。オペアンプの+電源へのパスコンはE202(470uF, 25V)とC203です。これらの回路はL-Rチャンネル共通です。前回いい忘れましたがこの前段では入力抵抗をふくめるとボリューム全開でもオペアンプの出力部で電圧利得は-1.6dBと減衰になるので、オペアンプはレールツーレールとかを考慮する必要はないと思います。デフォルトでついているNE5532も最低電圧10V、Rail-to-rail Noとなっています。あってるのかな?
オペアンプへの電源供給は1石のリプルフィルターを通して供給されます。図の通りの構成でこれの出力側にデカップリングコンデンサーのE202とC203が続きます。

リプルフィルター


12VからD101//D102を通り、さらにD104を通った入力電圧(ここで11V程度)がE101にはいり平滑化され、トランジスターはここを基準にB-E間の電位差だけ低い電圧を出力します。このフィルターの効果のシミュレーションが図です。60Hz振幅0.2Vのノイズをのせたときのフィルター前(緑)と後(青)の電源の電圧のブレの様子です。C101が充電されるまで出力電圧は上がっていき、その後一定に保とうとします。50、60Hzの電源からの雑音の除去にも効果がありそうですね。ちなみに、ノイズの周波数が高いほど除去率は高いと思われますが、それはE101の能力に左右されると思います。手を入れるとしたらこちらからかな。

60Hzのノイズの除去(方形波)緑(入力)のブレが青(出力)では軽減