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NFJ TUBE-00Jの回路解析、修理、改造3.回路の解析③真空管電圧増幅回路

本日はいよいよ真空管の電圧増幅回路についてです。

 

真空管6j1による後段

後段回路



真空管の電圧増幅回路ですが自己バイアス方式となっております。スイッチングコンバータで昇圧された100(実測101.6)Vが500Ω(R109//R110)と2350Ω(R2//R3、ここまで左右共通)、さらに3.3kΩをとおってプレート(5,6ピン、つながれているので6j1は5極管ですが3極管で動作することになります。)に接続されます。現状ではサプレッサーグリッド(2ピン)は浮いている状態です。カソード抵抗は300Ωですので、全体としては図のようになります。するとこの回路に流れる電流は最大で100/(500+2350+(3300+300)/2)=21.5mA。R-Lそれぞれでその半分10.75mAが流れます。プレート電流が0の時は100Vがそのままかかるので、ロードラインは図のようになります。バイアスは-1.3Vぐらいでこの時のプレート電流は3.7mAくらいです。この状態でのロードラインは図のようになります。グリッド電圧が±1V(赤線)動くとしてプレート電圧は図から86から50Vほど動くこととなり、ここでの利得は18倍ほどとなります。(電流を半分にするところを間違えていました(10.25->10.75)。これも含め訂正を入れました。)

6J1に於けるロードライン


B電源ですがDC-DCコンバーターで約11.4Vを約100Vに昇圧します。ですのでDuty比はダイオード電圧降下を0.5とすると1-11.4-0.5/100-0.5で0.886となります。真空管ヒーター電源はD101//D102を通った11.5VほどがV1の4ピン-V1のヒーター-V1の3ピン―V2の4ピン-V2のヒーター-V2の3ピン-アースと直列で直接流れます。なので点火の電圧は最小値の5.7Vぎりぎりです(また、左右どちらかがヒーター切れだと、両チャンネル動きません。)