研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

私の再生環境と改造の話

さて、いよいよラインアンプTUBE-00Jの本格的な改造を行っていくわけですが、その前に、私の再生環境を見ていただくことにしましょう。どのような音、改造を目指すかはどのような再生環境にあるかによっても変わってくるかと思うからです。とはいってもこのページをご覧いただいている方のそれと大きく違うところも少ないと思いますので、参考にしていただければと思います。システムの概略は図の通りです。

再生システム概略

ハイレゾやCDを含めてデジタルソースはDACを通って入力セレクターとサブウファ―用の出力を出すSumAmpに入ります。デジタルソースはラズベリーパイとI2S DACで構成されたネットワークオーディオからもここに入力されます。またフルデジタルとしてNFJのD802J++とD302J+があり、これらは後に出てくるプロテクターとスピーカーセレクターを通してスピーカーを駆動しますが、サブウーファー用の出力を取るために上流にDAC+DADを通してアナログとデジタルの信号を分け、アナログを入力セレクターとSumAmpに入れます。DAC+DADはNFJのPCM2704キットを改造したものに光出力モジュールを入れたものを使うことが多いです。こうしてSumAmpに入った出力はローパスフィルターとバッファアンプ(このSumAmp基板に組み込み)から片チャンネルがつぶれているけどICが入手できずに直せないでいるNFJ FX-4502Jをサブウーファーアンプとして使用し、1100円で手に入れたONKYOのSWA-V20HDサブウーファーを駆動します。また、入力セレクターからアナログ信号は今度は出力セレクターであるNFJ LS-02を通してEL34真空管アンプやNFJのTUBE P01Jなどの真空管パワーアンプか、今回のTUBE-00Jなどの真空管ラインアンプを通してNFJのFX-2020A+ CUSTOMやYDA138キットの改造版やFX-1001Jx2、自作のTDA7377によるAB級などなど(多くが手を入れてある)に振り分けられ、その後スピーカープロテクター基板(NFJのです)を組み込んだ自作のセレクターで一本にまとめます。そして最後にそのスピーカー出力をFX-AUDIO- PW-6Jで振り分けて(これは思いのほか便利です、リモコンもついているので)自作のエンクロージャに入れた3インチのフルレンジスピーカー(8Ω/MAX30、750円)かB&Wの705S2を駆動します。これらのシステムはほとんどがトランスとリニアレギュレータを用いた電源で駆動して、AC-DCスイッチングアダプターは電力が足りない部分(例えばTUBE-P01J、また、EL34アンプは自身に整流回路がありますからAC100Vです。)以外使用していません。また、部屋自体は防音材等で手を入れるところまで手が回っていません。こうやって、いくつかの入出力を切り替えて楽しめるようにしているのですが、こう長々と書いたのは一見して高級なオーディオではないということをわかっていただきたかったのです。一番高いのが705S2でそれ以外は桁が一つ以上落ちる1万円に満たないものがほとんどのシステムということになります。このようなシステムで、一つ一つのユニットに性能、例えばどれくらいの周波数特性を求めるのかということなのです。たとえば一番値が張った虎の子の705-S2ですら、公称の周波数特性が-6dB 45Hz~33kHz。これに対して今回チューニングしようとしてるTUBE-00Jに例えば10Hz以下までフラットな特性を求める必要はおそらく無意味で、かつ、このラインはサブウーファーのラインには出力を出さないので、むしろこの領域の増幅は有害ですらあるのではないかということなのです。もちろん、本格的な好事家の方は非常にいいシステムを持っている方も多いでしょう。でもそのような方はおそらくTUBE-00Jに手を入れたりしないだろうし、おそらく入手されることもないでしょう。また、そのようなシステムであれば手を入れるよりも、聴く部屋、空間のチューニングの方がより重要でしょう。つまり、これから行う改造は私のシステムの中でより良い方向を目指す改造で、ある一つの性能を改良をするために他の性能を犠牲にしており、決してTUBE-00J全体の性能を無条件に上げるものではないということをご理解いただければと存じます。長くなりましたので、今回はここまで。次回はこれを踏まえたうえでカップリングコンデンサの調整です。