研究室の音楽

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FX-2020A+CUSTOMの修理・改造8.改造⑥

以前に手を入れたFX-2020A+CUSTOMにさらに手を入れました。アナログ初段への電源5Vを独立化したものです。

ampaudio.hatenablog.jp

今回は増幅段・全体の電源の問題です。D級アンプの増幅の仕組みを簡単に言うとすれば、出力段の加電圧を一定にしておき、信号の強弱を最終段のスイッチのOn/Offの時間の長さに変換し、最終的に均すことで、拡大した信号の強弱に変換するといった感じでいいでしょうか。この場合、加電圧が途中で変化してしまえば結果が揺らいでしまいます。ここらあたりのことはICでも考慮されており、TA2020のデータシートにもPower Supply Rejection Ratio(PSRR)として記載があります。つまり、電源が揺らいでもそれを緩衝するような仕組みがICには装備されているということなのでしょう。

今回はこれだけでいいかどうかの実験です。実際FX-2020A+CUSTOMも、他のNFJのデジタルアンプもざっと見たところ、Power MOS-FETによるリプルフィルターがついているものもありますが、FX-2020A+CUSTOMはここの部分はIC任せでバルクコンデンサにつながっているだけです。これを安定化させたらさらに効果があるのかという検討です。

ついでにTA2020というかFX-2020A+CUSTOMの話なのですが、このアンプは12VのACアダプタ(12VDC)で駆動されます。上述の通りこの12Vが(パッシブフィルターとコンデンサの後で)TA2020に供給されますが、TA2020自体は実際は14.6Vまで駆動されることができます。標準は13.5Vで駆動となっています。

PSRRが定義されている以上、この電圧と出力、パフォーマンスは完全にはパラレルではないでしょうがかなりの影響があることは予想できます。そこで、今回は供給する電圧(ACアダプター)を16V(もしくは15V、私が使っている電源はトランス電源を安定化させてこの電圧の出力を使っています。)にして安定化させるという試みです。また、方針としてあの小さい躯体の中にすべてしまい込みます。