研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

FX-2020A+CUSTOMの修理・改造9.改造⑦

さて、電源を安定化するにあたって方針は二つかなと思います。

1.MOS-FETかトランジスタを使ってのリプルフィルタ

2.リニアレギュレータを使っての定電圧化

ディスクリートによる定電圧化もできますが、部品点数が多く躯体に入らないのでパスです。1.は2より効果は劣ると思いますが幅広い電圧に対応できるのが長所です。NFJのパワーアンプは12V-36Vなど入力電源電圧に幅を持たせているものがあり、この場合定電圧化してしまうとそれよりも高い電圧での電源入力が無駄になってしまいます。このリプルフィルタは真空管ラインアンプの改良で私が多用させてもらっていますが、今回は電流が多く流れるので素子はPOWER-MOS-FETかそれなりのトランジスタを使わなくてはなりませんが、大きく流れるのはこの素子だけなのでさほど問題にはなりません。2.は手軽で効果もよい方法ですが、出力電圧が固定されてしまうのと、素子に流れる電流量(および放熱)が問題となります。今回TA2020は14.6Vまでしかかけることができず、電源は15Vか16Vであるので幅広い入力電圧に対応する必要はありません。また、ドロップ電圧も高くなく放熱も問題になりにくいでしょう。むしろドロップアウト電圧が問題かもしれません。よって、今回は2の方針で行くとして手持ちに3端子レギュレータL7812があったのでこれを使おうと思うのですが、これは流せる電流が1.5A、ドロップアウト電圧が2Vなので微妙ですが試してみることにします。普通に使うと12V出力になってしまうのでGND端子にダイオードを直列に二つかませて1.2Vほど稼ぎ、発熱も抑えます。部品点数は入力と出力にコンデンサが1つずつ、L7812、ダイオードが逆電圧保護も含めて3つで済みます。あと、もう一つ、入っているバルクコンデンサはELNAの16V耐圧のものが入っているので、16Vの電源入力ではぎりぎりなのですが、今回はそこも目をつぶることにします。