研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

NFJ TUBE-03J+の修理・改造1.修理

NFJさんから購入したジャンクシリーズですが、今度はトーンコントロールがついたTUBE-03J+です。

 

 

いくつか入手しましたが、いろいろな壊れ方をしていました。ただ、TUBE-00Jの時と違って、FETが焼き切れているような電源のトラブルはなかったです。同じ回路を使っているのに不思議だなと思います。今回紹介する個体は、確か音が小さいかでないという個体で、電源は入ってショートなどはないものでした。壊れていたのはオペアンプの電源の部分のリプルフィルターを構成するトランジスターの不調でした。壊れていたトランジスターは同型番が安く手に入れることができたため、三本足を外すのに少し苦労しましたが、修理は一発でした。しかし、その時に誤ってディップスイッチをはんだごてで溶かしてしまって、1番2番のゲインのスイッチがぐちゃッとなってしまった(スイッチとしては機能しています。)ため、改造に回しました。

不調だったトランジスタ(Q102)

ちなみにこのディップスイッチが曲者で、正しく設定しないとステレオアンプとして機能しません。6つのディップスイッチが並んでい

問題のDIPスイッチ。例えばこの設定では正常に動かない


るのですが、1番2番が左右の帰還量を調節することでゲインを変更するスイッチ(左右を別のゲインで聴く人なんているんでしょうか?)3番が左チャンネルの一段目のオペアンプの出力を真空管側に渡すスイッチになっていてこの出力はスイッチを通らずNF型のトーンコントロールの入力と平行になっており4番目のスイッチがこのトーンコントロール真空管側に渡すスイッチになっています。わかりにくい説明ですみません。結局のところ、トーンコントロールを切る場合は3ON4OFF、トーンコントロールを利かす場合は3OFF4ONで設定しなくてはならず、3ON4ONや3OFF4OFFの設定にして今うと音が出なかったり、変な出力になったりします。5番6番はこの右バージョンで考えてみると正しくなる組み合わせと同じだけ変な増幅になる組み合わせがあることになり、不親切な設計ですね。部品点数とスペース等の関係で致し方ないと思いますが、NFJさんのは使いこなすのにもスキルが必要なのかもしれません。

ケースからの取り外しは前面の4つの六角ねじ(2.5)と後面のRCA端子を止めているプラスねじを外すことで基板が引き出せます。次回はこのアンプの特徴についてです。