研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

TDA7377 パワーアンプの作製2.(NFJ基板から)

図が実際の回路図となります。

回路図

入力側ですがオリジナルの基板はTDA7377への入力が減衰し、ローカットのフィルターになるので使用せず、入力カップリングコンデンサだけにしました。本来ならここに入力抵抗とアースに向かっての抵抗を入れるべきなのでしょうが、作製した当時はあとでボリューム機構などを入れるつもりだったのでこのような形になりました。入力カップリングが0.1uFなのはこの基板からとったフィルムコンデンサが使用できるからです。個々の部分はピンを立てて、他のコンデンサーと交換できるようにしています。

出力ですがバランス出力にすることで出力コンデンサを省略できるのが魅力です。音質に大いに貢献すると思います。その場合、故障時のスピーカーへのダメージが心配ですが、私のシステムではこの後のセレクターにNFJの保護基板を入れてあり、直流異常電流が流れた場合、ここでスピーカーへの出力がリレーでカットされます。(ポップ音カットの遅延機構は意味を成しません。)

 

電源部ですが、フェライトビーズとインダクターを通してノイズを取ったのち、リニアレギュレータで安定化しています。ここの部分が普通と違うところでしょうか。レギュレーターを通すと当然ですが供給電圧は下がります。本来TDA7377をフルに働かすためには、電圧はもっと高めがいいはずです。(安定化バージョンでもダイオードをアースとの間に入れて出力は12Vより高くするようにしています。)初めはバランスで組むことで電源の揺らぎがある程度キャンセルされる可能性もあるし、そもそも、音の周波数という短い間に電源が揺れるのか、揺れても認識できるのかわからなかったのですが、ただ、電源を素通しするよう組んだ時より、やはり良いのは間違いないようです。この基板を組んだのは実はかなり前で、これ以降、自分でも電源を気にするようになりました。

他にはオペアンプが余るのでデータシートに乗っているDiagnosticピンの出力を使うことも考えましたが、他の回路も組むことになり複雑になるのでパスしました。あとはオリジナルの回路の通りにStand byピンへの入力(直列抵抗と並列のコンデンサを挿入)をすることで、Muteをカットするのと同時にポップ音の防止にもなります。このStand byあたりの部品(コンデンサと抵抗)は音質に関係ないので、遠慮なく引っぺがした部品を使います。

回路図を見ていただくとお分かりのように、びっくりするくらい単純な構造です。アマゾンやアリババでこのICを使ったアンプボードが売られているようですが、電源部を除けばほとんど同じ構造なのだと思います。このようなボードを買って安定化電源をつけるという工作もとてもリーゾナブルなアンプ構成法と思います。機会があったら試してみたいです。