研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

NFJ TUBE-01Jの修理・改造2.回路の解析

別基板に乗っている電源回路は+11.4Vから±30Vを作り出す凝った作りになっていますが、増幅回路自体はとてもシンプルです。この正負電源を合わせて60VをB電源とし、4.7kΩのカソード抵抗で電圧変換し、1uFの出力カップリングコンデンサを通して出力します。入力の方はゲイン調整の抵抗のON/OFFののちに普通のボリューム抵抗、そして1uFの入力コンデンサ、4.7kΩの抵抗を通ってグリッドに入ります。自己バイアス方式でカソード抵抗は220Ω、これらからバイアス電圧は-30Vから見て約0.6V+、大体のロードラインは図のようになると思います。

私は素人ですが、一見して窮屈なラインと思います。ゲインをあげるためにプレート電流を下げると曲線領域にかかり歪が出てしまいます。これを避けるためにTUBE-00JやTUBE-003J+のようにプレート電圧を例えば100Vにあげると、±50Vとなってしまって、電源部のデカップリングコンデンサの耐圧をあげざるを得ず、小さな躯体では困難を生じ、コスト的にも不利です。おそらくここらあたりがこのロードラインのバランスなのではと考えました。ちなみに6K4でのロードラインは下図で、ここでは赤いラインは曲線の部分に完全にかかるので、ひずんでしまうことが予想されます。TUBE-01Jではいまだに付属真空管が6J1なのはこの理由なのでしょう。

6K4でのロードライン

この考察で真空管周りの電圧を調整して、違った良い特性を出すのは難しそうです。ここはいじらずに、いつものようにカップリングコンデンサや信号に直列に入る抵抗を変えていくことになりそうです。