研究室の音楽

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NFJ TUBE-00J Unlimited 改造

これまで10回ほど使って真空管ラインアンプであるTUBE-00Jの回路解析から改造(改良とは限りませんが)までをしてきました。

 

ampaudio.hatenablog.jp

自分なりには満足ですが、この経験を生かしてその上位機種のTUBE-00J Unlimitedの改造をしてみます。こいつTUBE-00Jが¥4,190 税込(送料別)なのに対して¥9,480 税込と倍以上の値段です。

 

 

TUBE-00J(左)とTUBE-00J Unlimited(右)。そっくりの外観

この二つ、回路的には部品の配置まで同じです。違いは段間のカップリングコンデンサの容量がTUBE-00Jでは1uF(BC components) 、Unlimitedでは0.68uF(Murata)なのですが、それ以外の回路図上での違いはないように思えます。

では何が違うかというと

1.オペアンプがNE5534からOPA627auに変更。OPA627auはNFJ¥2,980 税込ですから、値段の差はここが大きいですね。

2.段間と出力カップリングコンデンサの変更。段間のものは先ほど述べたように容量も小さくなっています。出力コンデンサは指月に特注した1uFでNFJで¥500ほどで販売しています。ただし、入力カップリングコンデンサ電解コンデンサ、ELNAの10uF 16Vのままです。

3.THDの抵抗。信号が通るところも含めてですが、一見してTUBE-00Jの時とは違った抵抗が使われています。上位の物に変更されています。

4.真空管のデカップリングコンデンサがTUBE-001では12uF 400V、Unlimitedでは22uF 250V、昇圧前のコンデンサオペアンプコンデンサも容量は同じですが、種類はちかいます。

5.真空管が6K4ではなくて6J1。6J1はNFJで今や¥2,500 税込(ミルスペックですが)もするのですね。驚きました。6K4は同グレードで¥1,000です。これについては以前のブログで議論しましたとおり、私は6J1がいいと思います。また、ソケットもUnlimitedはセラミック、TUBE-00Jは樹脂製です。

TUBE-00J(赤)とUnlimited(白)の基板。四角で囲まれた部分が異なる場所

つまり、回路はほぼ同じで上等な部品を使いましたということです。この二つ、素の状態で、はっきりわかるほど音が違います。ほとんどの人がUnlimitedを選ぶと思います。さて、私はTUBE-00Jの方を改造してきたのでその経験からは変えるところは以下の通りです。

1.入力カップリングコンデンサのフィルム化(1uF WIMA)

2.オペアンプ電源の基準コンデンサの変更

3.2番ピンと7番ピンの結合による対応真空管の拡大

段間と出力コンデンサ、信号系の抵抗はすでに良いものが使われているので今回はそのままとしました。入力コンデンサはTUBE-00Jの時と同じでピンを立てて、交換できるようにしています。

改造後の基板

WIMA 1uFを装着したところ

段間のコンデンサ容量が違うのでこれでシミュレーションをしたものが下の通りです。

効果はTUBE-00Jの時と同様、音ははっきり変わります。私としてはフィルムコンデンサーの方を絶対推します。TUBE-00Jの改造品との違いはこちら(Unlimited+6J1normal)の方が明るく、透明感のある音。TUBE-00J(改+5654W)の方が力強く音場がまとまっている音(結構違います)が、これは主にオペアンプの違い(AD827JNとOPA627au)の差と思います。TUBE-00J改造の方を手持ちのOPA627auにすると明るく同じ傾向になりますが、コンデンサが違うので違いはあります。また、真空管を変えるとまた全然違い、6J1なら繊細な感じ、5654Wの方が推して出てくるような感じです。ですので、当分Unlimited(改)の方はOPA627au+6J1、TUBE-00J(改)のほうはAD827JN+5654Wで使っていこうと思います。真空管は中身を空けずに、ドライバーなしでも交換できるので気の向くままに変えていますが。