研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

NFJ TUBE-03J+の修理・改造5.改造④

TUBE-03J+ですが、前回の改造で信号に直列つまり、信号が直接通るような形の抵抗はチップ抵抗、スルーホール抵抗に関わらず交換して、良い結果を得ました。TUBE-00Jでも同様な結果でした。これに対して信号に対して並列な抵抗の交換は効果が少ないと考えられており、実際ボリュームの改造として、信号に直列な部分の抵抗を音質の良い固定抵抗にして、アースに逃げる並列な部分に音質の劣悪な可変抵抗を追いやるということがよく行われるのは、これに基づいているわけです。

この並列な抵抗の代表が真空管での電圧増幅部の抵抗です。

TUBE-03J+の真空管出力段

図では左右のチャンネルに分かれた高電圧による電流がR306-真空管-R305-GNDと流れます(R304にはほとんど流れません。)これにより真空管に流れる電流(プレート電流Ip)が大きくなればなるほどR306による電圧降下が大きくなり、出力の電圧が低くなります。オペアンプからの電圧変化(音楽信号)はグリッド(1番ピン)に入ってこれがプレート電流を変化させるので結果、出力の電圧変化としてC304から取り出せるということになります。そこで、今回はこのR306とR305(いずれもスルーホール抵抗)を音がいいとされるビスパのLGMFSAで交換しました。

結果なのですが、正直に言うと今回のはあまり、変化は実感できませんでした。ここまでしなくてもいいのかな。という結論ですが、これで一応信号周りで変えるべき抵抗、コンデンサはすべて変えたことになり、前回までの改造も合わせるととても良い結果です。改造する前のものとは別物です。オペアンプをOPA627auに変えると改造前のTUBE-00J Unlimitedよりもよく、改造したUnlimitedとは(回路がほぼ同じなので当たり前ですが)同じ感じとなりますが、今回の改造分だけこちらの方が上かもしれません(いずれもトーンコントロールは通さない場合)。これはTUBE-03J+だけがDC-DCコンバータの部分がシールドで囲ってあるのも影響しているのかもしれません。今までTUBE-00J、TUBE-00J Unlimited、TUBE-03J+と解析、改造を行ってきましたが、総合的にみると使わないかもしれませんがトーンコントロールがついている分もあり、TUBE-03J+がよいのかもしれませんね。