研究室の音楽

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NFJ TUBE-00Jの回路解析、修理、改造12。まとめ

さて、10回以上にわたったTUBE-00Jの改造も前回まででひと段落としたいと思います。今後気になる点は

1.真空管への電源(B電源)のノイズについて

 TUBE-00JではB電源は昇圧スイッチングコンバーターで作っていますが、それに対するノイズ対策はデカップリングコンデンサーのみです。また、当然高圧になるのでその容量も大きさの関係で大きくないようです(丁寧に配置してあるとは思うのですが)。オシロスコープで調べてみないと何ともですが、ここがTUBE-00Jの泣き所の一つかもしれません。これを回避するためにオリジナルともいえる01Jではスイッチングコンバーターを使用していません。(発振回路は使っているように思えますが高周波ではないと思います。いずれ解析したいと思います。)これを解決するにはインダクターを入れたり、オペアンプと同じようなフィルターを入れるのがいいと思いますが、スペース的にギリギリで大きな改造となりそうです。

2.ヒーター電源の電圧アップ

 TUBE-00J、Unlimited、03J+ではヒーター電圧が低めぎりぎりと思います。手っ取り早く改善するのは、電源の±逆刺しに対する安全装置のD101,D102の手前からヒーター電源を取るといいと思うのですが、そうするとスイッチの位置も変えないとならず、やはり、基板のスペースの問題から単純なのですが難しい改造となりそうです。

3.チップ抵抗の換装

 リード抵抗の換装は思った以上の効果でした。チップ抵抗がどのようなものが使われているかわかりませんが、評判のいい抵抗に変えるのはこの経験から十分検討の余地があります。ただ、チップ抵抗を手に入れるのが面倒です。

4.スイッチング回路のシールド

 TUBE-03J+ではスイッチングに対してこの物理的機構があります。やはりスペースの問題がありますが検討してみたいです。どれだけ効果があるのでしょうか

5.デカップリングコンデンサ

 1で述べましたが、デカップリングコンデンサを強化するのは一般的な改造です。

とこんなところでしょうか。ただ、私個人としてはここまでの改造で十分満足が得られていて、しばらくこのTUBE-00Jで音楽を楽しみたいと思います。TUBE-00Jはほかに完動品がいくつもありますので、次の改造の資金のためにも、改造して売りに出しましょうかね。市販品と同じものではつまらないし。でも、コンデンサは変えるとしても抵抗はどうしましょうか。どちらの方が皆さん興味がありますかね。今回の改造を通して、真空管の電圧増幅やLTSpiceの勉強にもなりました。何よりも自分で普段聞いているシステムがこれによってよくなる(しかも、無理のない予算で)というのはとても楽しい経験でした。

今度は今回の改造の経験を生かしてTUBE-03J+とLimitedの改造でしょうか。