研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

NFJ TUBE-00Jの回路解析、修理、改造10。改造⑤ 抵抗、およびオペアンプ電源

改造する前はこのTUBE-00Jは登場機会が全くなく、ラインアンプはTUBE-01J+6J1Pかキットを自作して改良した(Gullgray's Memoさんのブログに準拠)6N3アンプ、トーンコントロールが欲しい場合はTUBE-03J+5654Wを使用していました。(TUBE-00J Unlimitedも持っているのですが、やはりピンとこなかったのか、こちらのシステムではなく、ヘッドフォンの方に使っていました。)しかし、コンデンサを交換(オペアンプAD827JN、真空管5654W)にしてから、こちらが1軍選手となっています。ですので、ふつうはカップリングコンデンサの調整で終了なのですが、もう少し手を加えたいと思います。

今回は手持ちの部品で変えることができた信号系統の抵抗とオペアンプのリプルフィルターの改造となります。前回とは違い、そんなに頻繁に部品を変えることはないと思いますので、前の部品を基板から外してから、普通に新しい部品をはんだ付けします。

今回の改造場所、四角で囲った4つの抵抗と一つのコンデンサです

前回はカプリングコンデンサの換装で大きな変化を得ましたが、今回は同じように信号が通る抵抗を考えてみたいと思います。信号は入力からR201-C206-R205-オペアンプの反転増幅-R308-C303-R310-真空管の増幅-C302-出力となっています。そのほか真空管のプレートやカソードの抵抗も信号伝達には大いに影響しますが、今回はとりあえず直接の信号ラインだけを抜き出しました。前回はこのうちC206、C303、C302を交換したわけです。また、真空管オペアンプはその前に変えましたね。今回は残る抵抗のうちTHDの抵抗で実装されているR308、R310を換装します。残りの抵抗はチップ抵抗なので交換用の良い部品は注文しないとないのですが、THDのこの二つは別のアンプを作るときに注文したBispaの抵抗があります。この抵抗はとても評判がいいので購入したのですが、このアンプ自体の作製に手を付けておらず、残っていたものです。

また、同時に手持ちで簡単に変えられるところとしてオペアンプの電源フィルターを取り上げました。電源へのパスコンはE202(470uF, 25V)でこれの強化が考えられますが、この回路で最も効果が期待できるのはE101の強化と思います。このコンデンサがフィルターの基準となっているためです。図は第2回の時と同様、60Hz振幅0. 2Vの方形波ノイズをのせたときの電圧のブレの様子です。拡大図を見てもらえばわかるかと思いますが、100uF(緑)の時に比べ、270uF(青)の時は揺らぎが半分以下になっています。その代わり、電圧が上がってくるのには時間がかかるのですが、真空管を暖機する時間に比べれば微々たるものです。

リプルフィルターの改善


ここでの交換は単に容量をあげるだけでなく手持ちの固体コンデンサーにしています。ただ、買ったものではなくおそらくどっかのマザーボードからはがしてきたものです。間違いなく。交換後の写真を載せておきます。

改造後の基板

さて、効果なのですがおどろきました。正直、改造する前は金属皮膜抵抗は金属皮膜抵抗だろうとどこまで効果があるものかな?と少し懐疑的だったのですが、かなりの違いでした。主観的な評価ですが音の透明感と立ち上がりがはっとするほどよくなった気がします。オペアンプの電源フィルタの効果かもしれませんが、おそらく、抵抗と思います。こんなに変わるのなら、他の機材の抵抗も手を入れることを考えるかもしれません。多分すると思います。兎にも角にも自分ではよい方向に変化したので満足の改造でした。当分、最も安いラインアンプが第一線の地位を占めることになりそうです。