研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

FX-2020A+CUSTOMの修理・改造2.修理②

いまだに壊れていると思えるもう一台のFX-2020A+Customですが、実はどこが悪いかは大体、見当がついていました。このアンプは電源On-Offの時のポップノイズを回避するためと思うリレーがついているのですが、もう一方はこのリレーがオンになるカシャッという音がしないのです。そこで今一度、ICの出力から追っていくと、Plusはスピーカーターミナルに行きますが、Minusはリレーに入っていきます。そのリレーの駆動回路が図です。(リレーのシンボルは適当なものを使ったので正しいPinの番号は青字のものです。)

リレー駆動回路


Minus端子はリレーの1,6Pin(内部でつながっている)に入りますが、リレーOffの時は同じくMinus端子につながっている4Pinにつながり、リレーOnとなるとICの出力につながっている3Pinにつながり、音が出ます。このリレーを駆動するのが2-5Pin間に流れる電流なのですが、これをコントロールしているのがQ4、Q5のトランジスターで、これを駆動するのがNFJオリジナルのMCUの2Pinの出力です。これはMCUがやられているかな、それならば困ったなというところでしたが、スイッチをOnにして調べてみると2pinにはちゃんと出力がありました。となれば、この2つのチップトランジスタということになります。

右上の二つのトランジスタ


これはスイッチが入ればいいので、そこら辺の基板からはがしてきた中からNPN型とおもわれるものに交換しますと、見事、リレーがオンとなる音がし、無事に音が出ました。最後に2台ともR-LのそれぞれPlusとMinusの間のオフセット電圧を半固定抵抗で調整して、修理終了です。なんとかなったFX-2020A+ CUSTOMの修理ですが、アンプICの取り回しに苦労したのと、レポートでは略したのですが、一台はスイッチなどもおかしくて(交換した)、修理は結構ぎりぎりだったのではと思います。挑戦される方は頑張ってください。

さて、音の方ですが評判にたがわず、とても透明感のある静かなアンプと思いました。人気があるのも納得で、確かに1万円の価値はあるかなと思います。(自分で直したというフィルターはかかりまくりです。)D級アンプはnabeの雑記帳さんで紹介されていたものを作ったことがあり、こちらはさらに透明感があるアンプで、総合的には甲乙つけがたいと思い、とっかえひっかえして聞いています。透明感があるというのが私のD級アンプの印象で、温かい感じが欲しい時はAB級のアンプを使っています。次回は改造です。