研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

ヘッドフォンアンプキット:LHPA-DIA_BUFFER-KITの作製・改造④

このヘッドフォンアンプの改良でまず考えられるのは、せっかくカレントミラー回路でレールスプリットして両電源の形でオペアンプを駆動しているわけですから、まず、出力にドカンと鎮座している出力カップリングの電解コンデンサをなくすことです。私はこの改造であまりに音が変わるのでそれ以来、カップリングコンデンサ電解コンデンサを入れるのが嫌いになりました。やることは単純です。出力コンデンサのところにピンを立てて、それの間をスズメッキ線でブリッジすればいいわけです。万一、テスターでDC漏れが確認され問題になるようならば、コンデンサを挿せばいいわけです。また、コンデンサを色々変えることができ、これも勉強になりましたね。ただ、それだけではよろしくないのでDCオフセットについて少し解析してみましょう。

一番右のやつですね。

このアンプはオペアンプにLME49720を非反転増幅で使い(交換可能)、ゲインを2倍にして、これをエミット・フォローワ(ダイアモンドバッファ)で出力インピーダンスを下げる設計になっています。まずLME49720のオフセット電圧は0.7mV。LME49720のインプットバイアス電流は最大で72nAあり、オフセット電流は最大で65nA、合わせて132nAで、これに±の端子についている抵抗の差0.1kohm(2.2k//2.2k - 1.0k)をかけて13.2uV。これは0.7mVに比べて十分小さいので無視すると出力で出てくるオフセット電圧は0.7mVx2で1.4mVが最大と見積もれるので、出力カップリングコンデンサをなくしても問題ないでしょう。電解コンデンサをなくす音質のメリットの方が明らかに大きいです。

とはいっても、他のオペアンプも使いたいですし、DC漏れはヘッドフォンを壊す元ですのでさらに追加で対策を行います。オフセットの調節機構と安全回路の基板の導入です。