研究室の音楽

仕事中は研究室で音楽を聴いています。

NFJ TUBE-04Jの修理

NFJさんのジャンクでTUBE-04Jを手に入れました。真空管とYDA138を使ったD級アンプのハイブリッドアンプですね。こんな小さいのに真空管のプリがついて12Wを出すようです。どんな音がするのでしょう。今回の個体は全く電源が入りません。このままでは聴けませんのでまずは修理です。

開けてみますとまず、おなじみのトランスを使った昇圧基板がメインの基板に乗っかっています。これはTUBE-01Jと全く同じもので±30Vを作り出します。真空管の電圧上昇回路はまだ解析していませんが、この電圧から考えてロードラインはTUBE-01Jの時に書いたもの以外、あまり考えられないので真空管は6K4を使うべきではないと考えます。NFJさんも”設計自体は6J1ベースで行われており、6K4でも問題ないように調整されていますが、本来の実力を味わっていただくには6J1(別売)をお勧め致します。6K4が良くないという事ではなく味わいの違いですので、お好みの真空管をお試しいただくのもTUBE-04Jの楽しみの一つです。”と商品ページに書かれています。いえ、6K4はどうかと思います。ちなみにこのサブ基盤、出力側のリプルコンデンサの片方が吹き飛んでいます。どうするとこうなるのでしょうか。まずはこれを手持ちのコンデンサで修復しました。

このサブ基盤を外すと下にYDA138が入っていました。が焦げてやられていました。まあ、焦げたにおいがしていたので予想はしていました。パット見ましたが水晶発振器はなく、YDA138のinternal clockで動いているようです。ここら辺はあとで手を入れれるかもしれません。まずは、低融点ハンダとヒートガンで外しにかかります。外した後でハンダ吸い取り線できれいにしましたが、やはり足のランドもやられていて修理には難航が予想されます。

左下のランドがやられてしまってます

新しいYDA138を持ってきてはんだ付けしていきます。このICには裏パッドにGND端子まであるのでまず、そこに薄く融点が低めのはんだを塗っておきます。あまり厚く塗ると足がはんだ付けできません。まずは対角線上の二つの足をはんだ付けしたのち、片側の足をはんだ付けしていきます。終わったところで見てみるとはんだ付けしていない方の側の足がランドとずれています。どうも対角線ではんだ付けした一方の足がきちっとついていなかったようです。やれやれ、もう一度ヒートガンで外してやり直しです。今度は四隅の足を3つずつまずはんだ付けしてから全体をはんだ付けしました。今度からはこの方法で行こうと思います。基板の裏から裏面のパットの部分をはんだごてで温めて完成です。テスターで導通とショートのチェックをしたところランドが切れていた部分は導通していなかったので、スズメッキ線で1か所ブリッジしました。このICはまだ足が離れているのでやりやすかったです。

サブ基盤が±30V出すことを確認してから組み上げます。真空管のB電源がかかっていること(真空管をはずした状態で±30V強)と真空管を入れた状態で入出力にDC漏れがないことを確認して、システムに入れます。音出しは一発で通りました。今年最後の修理・改造だと思うので気持ちよく終わってよかったです。音も無改造でも年の瀬を聴くには十分な音質と思いますが、開けてみて改良できそうな部分がたくさんあります。ただYDA138は弱くてすぐ飛ぶのとプリメインアンプはあんまりいらないからな。改造して下宿している娘にでもあげようかな。